位数 $p^3$ の群

位数 $p^3$ の可換群の分類は有限 Abel 群の基本定理によって出来るので, 非可換な場合に絞って議論する.

$G$ は非可換で $|G| = p^3$ とする. このとき $|Z(G)| = p$ であるから $|G/Z(G)| = p^2$ となり, $G/Z(G)$ は可換である. それゆえ $Z(G) \supset [G, G] \supsetneq 1$ となり, $Z(G) = [G, G]$ がわかる.

$G$ が位数 $p^2$ の元 $x$ を持つとしよう. このとき $p$-群の性質から $N = \langle x \rangle$ に対して $N_G(N) \supsetneq N$ であるから位数の関係により $N_G(N) = G$, すなわち $N$ は正規部分群である.

$G/N$ は $p$ 次巡回群なので, $y \in G$ を $yN$ が $G/N$ の生成元となるように取る. $N$ が可換なので $g \in G$ に対して $(x \mapsto g^{-1}xg) \in \mathrm{Aut}(N)$ を対応させる写像は well-defined な準同型 $$\varphi : G/N \ni gN \mapsto (x \mapsto g^{-1}xg) \in \mathrm{Aut}(N)$$ を導く. $G$ が非可換ゆえ $\varphi$ は単射である. $\mathrm{Aut}(N) \cong C_p \times C_{p - 1}$ なので, $\varphi(yN)$ の位数は $p$ である.

$(1 + p)^p \equiv 0 \pmod{p}$ なので, (必要なら $y$ を $y$ のべき乗に取り換えて) $y^{-1}xy = x^{1 + p}$ であるとしてよい.

$y^p \ne 1$ ならば $y^p$ の位数は $p$ だから $y^p = x^{kp}$ なる $k (1 \le k \lt p)$ が存在するので, $z = yx^{- k}$ と置けば $zN = yN$ かつ $$\begin{align} z^p &= yx^{- k}yx^{- k}(yx^{-k})^{p - 2} \\ &= y^2(y^{-1}x^{- k}y)x^{- k}(yx^{- k})^{p - 2} \\ &= y^2(y^{-1}xy)^{- k}x^{- k}(yx^{- k})^{p - 2} \\ &= y^2 x^{- k - k(1 + p)}(yx^{- k})^{p - 2} \\ &= y^3(y^{-1}x^{- k - k(1 + p)}y)x^{- k}(yx^{- k})^{p - 3} \\ &= y^3(y^{-1}xy)^{- k - k(1 + p)}x^{- k}(yx^{- k})^{p - 3} \\ &= y^3 x^{- k - k(1 + p) - k(1 + p)^2}(yx^{- k})^{p - 3} \\ &= \dots \\ &= y^p x^{- k - k(1 + p) - \dots - k(1 + p)^{p - 1}} \end{align}$$ であるが, $$\begin{align} k + k(1 + p) + \dots + k(1 + p)^{p - 1} &= k\frac{(1 + p)^p - 1}{p} \\ &= k\frac{p^2 + \frac{p}{2}(p - 1)p^2 + \dots}{p} \\ &\equiv kp \pmod{p^2} \end{align}$$ なので $z^p = y^p x^{- kp} = 1.$ 故に初めから $y^p = 1$ としてよい. よってこの場合 $$G \cong M(p^3) = \langle x, y | x^{p^2} = y^p = 1, y^{-1}xy = x^{1 + p} \rangle.$$ これは半直積 $C_{p^2} \rtimes C_p$ である.

$G$ が位数 $p^2$ の元を持たないとき, $y, z \in G$ を $yN, zN$ が $G/Z(G) \cong C_p \times C_p$ の生成元となるように取る. このとき $G = \langle y, z, Z(G) \rangle$ である.

$G$ は非可換ゆえ $x = y^{-1}z^{-1}yz$ は単位元ではなく, $Z(G) = [G, G]$ の生成元となる. よって $$G \cong E(p^3) = \langle x, y, z | x^p = y^p = z^p = 1, xy = yx, xz = zx, z^{-1}yz = xy \rangle.$$ これは半直積 $(C_p \times C_p) \rtimes C_p$ である.

$E(p^3)$ は $GL(3, p)$ の部分群 $$\left\{ \left. \begin{pmatrix} 1 & b & a \\ 0 & 1 & c \\ 0 & 0 & 1 \end{pmatrix}\ \right| a, b, c \in \mathbb{F}_p \right\}$$ と同型である.

結論

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